(社)日本東洋医学会(前)副会長 医学博士
大野クリニック院長  大野 修嗣

米国から始まった、科学的な体系の確立した西洋医学以外の様々な医学を西洋医学 を補うものとして見直そうという動きが世界に広まっています。 その背景には、高度に専門化してしまったがゆえに病気の診断は正確にできても、 その結果として「病名がわからないので治療ができない」「病名はわかったが治療 法が確立されていない」「病気は治ったが患者のQOLは失われた」というような西洋 医学的方法論の限界と問題点を打破する「治療のための医学」が求められていること があります。

これらの中でも漢方医学は、西洋医学とは別の理念を持った、ある面では西洋医 学より優れた医療に対する方法論を有した医療体系であり、西洋医学と対等に共 存すべき医学であると私は確信しております。

21世紀をむかえ、今後ますます重要性の高まる漢方医療は患者さんの寄せる期 待も大きいのですが、残念ながらその期待に応える漢方の専門医の数はまだまだ 不十分なのが現状です。専門医を育てるには医学部における漢方医学教育の充実 も必要ですが、すでに臨床にたずさわっている医師への教育が急務です。私自身 もここ数年、各地のセミナーでお話できる機会を頂き、初心者からベテランまで 多くの先生方に漢方の講義をさせていただきましたが、やはり時間や場所 の制約がありいつも歯がゆい思いをしてまいりました。

一方、それらのセミナーの受講者とのメールのやりとりを始めてみたところ、 ダイレクトなコミュニケーションにはないメールならではの良さを体験しました。 さらに患者さんとのコミュニケーションの道具として活用し、 メールは「いつでも」「どこでも」「気軽にかつじっくり考えて」意見を交換できる という最適な手段であることを実感いたしました。 もちろん、メールのみならずブラウザを使っての情報収集や情報公開 の便利さはいうまでもありません。その結果、私はこれらのインターネットの力 が漢方の普及・啓蒙に最も有力な一つの手段になると確信するに至りました。 幸い30年来の旧友はIT業界に精通しており、彼と私自身の友人の輪の中で多士 済々な方々の助言と賛同、協力を得てここに「インターネット漢方塾 (www.e-kampo.com)」を開設することができました。

この塾には、
・スムースな情報交換のためのメーリングリスト
・私自身の講義も含め長年漢方医療を実践されてきた先生方のビデオ講義
・漢方薬、生薬、専門用語、症例などのデータベース
・相互研鑽の場としての電子会議室
など、インターネットの特長を活かした漢方を学ぶための様々な道具がそろって います。 また、会員が増えてくればその方々の要望をふまえたセミナーなども企画する予 定です。

会員の方々の様々な疑問・質問には私および当塾に協力してくださるベテラン の先生方が誠意を持ってお答えいたします。 どうそ、お気軽にこの漢方塾にご参加ください。

必要なのは漢方を学ぼうとする強い意志だけです。



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