症例検討
 

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【第一回】 【第二回】 【第三回】 【第四回】 【第五回】
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【第三十六回】 【第三十七回】 【第三十八回】 【第三十九回】 【第四十回】



出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第一回

【症 例】72歳 女性

【主 訴】気、嘔吐

【既往歴】心室性期外収縮

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】6月27日朝から畑仕事をしていたが、午後12時ごろ気が
      出現。多量の発汗があったために自宅に帰ったが、さらに
      気分不快となり嘔吐腹痛下痢はなく食欲もないという
      ことで来院

【現 症】身長146cm、体重43Kg、血圧80/40mmHg、脈拍112/分、整。
      眼瞼結膜に貧血なく、眼球結膜に黄疸なし。
      胸部の聴診では頻脈傾向以外問題なし。
      腹診では腸雑音聴取せず、圧痛はなし。
      神経学的所見は特記事項なし

【漢方医学的所見】
      望診気のために苦悶様顔貌。元気のない様子
      舌診:白舌苔、乾燥。舌下静脈がわずかに怒張
      脈診、数、弱
      腹診:全体に軟。皮膚は発汗により湿潤、
          それに伴って冷感あり。心下痞コウなく、
          胸脇苦満、臍傍圧痛抵抗も認められない

【経 過】腹診から脾胃の状態であること、また脈診も含めて
      全身的にも虚証の状態にあると考えた。また、発汗が
      止まっていないことから止汗作用の処方を考慮して、
      A湯を処方。舌診の乾燥状態から脱水傾向も考慮して、
      200mlの電解質の補液を単味で施行。次の日も来院するよう
      にと言って帰した。2病日目に来院。昨日とは見違えるように
      元気になった。発汗は昨日の夜には収まり、朝食も摂れて、
      嘔吐はないが、まだ少し食欲不振が残っていると言う。
      このままA湯を2・3日続けることとした

【検討課題】A湯とは何か?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二回

【症 例】23歳 女性

【主 訴】発

【既往歴】気管支喘息、アトピー性皮膚炎

【家族歴】4・5日前に甥に同様の発が見られた

【現病歴】8月8日早朝、39.2℃発が出現し、来院。

【現 症】身長166cm、体重48Kg。
      体温39℃、血圧96/68mmHg、脈拍104/分、整。
      眼瞼結膜に貧血なく、眼球結膜に黄疸なし。
      胸部の聴診では頻脈傾向以外問題なし。
      腹診では腸雑音聴取せず、圧痛はなし。
      神経学的所見は特記事項なし。

【漢方医学的所見】
     望診悪寒のために苦悶様顔貌、顔色蒼白。
         元気のない様子。
     舌診:白舌苔、乾燥。舌下静脈がわずかに怒張。
     問診:発汗なし。ふしぶしの痛み、腰痛が強い。
     脈診
     腹診:全体に軟。皮膚は感があるが発汗していない。
         心下痞コウなく、胸脇苦満、臍傍圧痛抵抗も
         認められない。

【経 過】感冒様症状があった甥と接触していたことからウイルス
      感染症が想起され、数脈から太陽病期と捉えられた。
      さらに悪寒、発、ふしぶしの痛み、腰痛、無汗から
      漢方薬Aを2日分投与。翌日の再診を伝えた。
      翌々日の8月10日に来院。悪寒、身体の痛みが軽快。
      咽頭痛が出現し、往来寒熱、食欲不振、軽い嘔気、
      腹診にて胸脇苦満が出現していた。排尿に問題がなく、
      口渇なし。以上から少陽病期と捉えて、B漢方薬に変更。
      8月12日に来院。すっかりよくなったので漢方を止めても
      良いかと。廃薬とした。

【検討課題】漢方薬A及びBとは何か?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三回

【症 例】85歳 男性

【主 訴】吃逆

【既往歴】逆流性食道炎

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】2005年8月6日からしゃっくりが止まらなくなり、近医受診。
      内視鏡検査にて食道下部の発赤が認められ、ガスター(20)
      2錠、タフマック3C、セルベックス3C処方された。吃逆
      改善しないということで、8月12日に紹介され来院。

【現 症】身長166cm、体重64Kg、血圧122/69mmHg、脈拍87/分、整。
      眼瞼結膜に貧血なく、眼球結膜に黄疸なし。
      胸腹部の聴打診では頻脈傾向以外問題なし。
      神経学的所見は特記事項なし。

【漢方医学的所見】
      望診:畑仕事で日焼けして浅黒い顔色。
      問診:手足の冷えあり、首筋から肩のこりは以前より続いて
          いる。元来胃弱の傾向にある
      舌診:白舌苔、湿。舌下静脈(±)
      脈診:遅
      腹診:全体に軟。皮膚は湿潤なく、乾燥もなし。
         心下痞コウ心下痞堅と抵抗強い。
         上腹部は冷えていた。
         胸脇苦満、臍傍圧痛抵抗は認められない。

【経 過】胃弱の傾向があり、手足の冷え、首筋から肩のこりの訴えが
     あり、腹診心下痞コウ心下痞堅を認めたため、漢方薬Aを
     3日分処方。8月15日来院。一日服用してしゃっくりは止まった
     が、3日分服用したとのこと。もう少し飲んでいたいとのことで
     あったが、また再発したら服用することとして廃薬とした。

【検討課題】A湯とは何か


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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第四回

【症 例】50歳 女性

【主 訴】感 全身倦怠感

【既往歴】全般性不安障害 アレルギー性鼻炎

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】2005年10月17日ごろから感冒様症状出現し、鼻汁が増強。
     その後身体の感が持続し、全身倦怠感など体調不良が
     改善せず「物事が面倒で家事ができなくなった」と言って
     10月24日に来院した。

【現 症】身長164cm、体重47Kg、血圧112/68mmHg、脈拍70/分、整。
     体温37.0℃。眼瞼結膜に貧血なく、眼球結膜に黄疸なし。
     胸腹部の聴打診では異常所見なし。
     神経学的所見は特記事項なし。

【検査所見】尿、血算、生化学、免疫学的所見に異常なし。

【漢方医学的所見】
      望診:土色の顔色。
      問診:全身倦怠感、体の芯に熱を感じるが、足は冷えている。
         便秘ではないが排便はすっきりしない。4ヶ月前から生理
         がない。生来胃弱の傾向にあり、以前十全大補湯
         胃もたれを経験した。
      舌診:胖大、白舌苔。舌下静脈(+)
      脈診
      腹診:全体に軟。軽度の胸脇苦満。臍傍圧痛抵抗なし、
         臍傍悸なし、腸の蠕動不隠なし。

【経 過】感染に誘発された体調不良と考えられ、感があり六経理論
     の少陽病期に相当すると捉えた。望聞問切の漢方医学的所見
     から本症例の全体像は虚証の状態にあることを考慮して、
     少陽病虚証とし、胸脇苦満を呈した腹診から初診時(10月
     24日)に漢方薬Dを処方した。10月27日来院時、体温36.0℃と
     改善。倦怠感に漢方薬Dが効果ありそうだという。4ヶ月ぶりに
     ちゃんとした生理が来た。排便が順調となってすっきりしたと
     いう。10月29日来院時、全身倦怠感がすっかり改善。以前から
     あった痔の痛みもなくなった。他院で処方されていたデパスも
     減量できているとのこと。処方Dをも少し継続したいとのことで、
     14日分処方した。

【検討課題】漢方薬Dとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第五回

【症 例】41歳 女性

【主 訴】口内炎

【既往歴】日光疹

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】2005年10月1日ごろから食事の後の胃もたれが出現。
     食事を少なくしていたが、10月10日ごろより食欲不振が
     出現し、口唇炎、口内炎も出現したため10月12日に当院来院。

【現 症】身長162cm、体重42Kg、血圧104/78mmHg、脈拍76/分、整。
     眼瞼結膜に貧血なく、眼球結膜に黄疸なし。胸腹部の聴打診
     では異常所見なし。神経学的所見は特記事項なし。

【検査所見】尿、血算、生化学、免疫学的所見に異常なし。

【漢方医学的所見】
      望診:色白の顔色(時にわずかにほてることあり)。羸痩傾向。
      問診:生来手足の冷えが強く、軟便傾向にある。幼少時より
         度々食欲不振となり、同時に口内炎出現した。歩く
         ときに胃のあたりでポチャポチャと水の音がする。
         食べ過ぎると胃もたれが出現し、軟便から下痢となって
         しまう。
      舌診:舌質は淡白色、白舌苔、湿、歯痕あり。舌下静脈(±)
      脈診
      腹診:全体に軟。心下振水音あり、臍傍悸正中芯を触知
         した。胸脇苦満なし、臍傍圧痛抵抗なし、腸の蠕動不隠
         なし。

【経 過】口内炎に対しては黄連湯半夏瀉心湯黄連解毒湯などが
     頻用されている。しかし、本症例は冷えが前面に出ていて、
     水毒の症候に満ち、典型的な脾虚の状態にあるために
     漢方薬Eを処方した。10月19日来院時、胃もたれ、食欲不振は
     軽快傾向にあったが、口内炎がまだ残っているという。10月
     26日来院時には胃もたれ、口内炎とも改善した。一日に1回
     でも服用していたいとのことで、一日1回の処方を1ヶ月分
     処方した。

【検討課題】漢方薬Eとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第六回

【症 例】16歳 女性

【主 訴】便秘

【既往歴】アレリギー性鼻炎

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】2005年10月10日ごろから咳嗽、軟便、腹痛、発が出現。
     近医から鎮咳薬と整腸薬を処方されたが排便がすっきりせず、
     夕方になると37℃程度の体温となり不快であると10月17日
     に来院。胸脇苦満を認め、白舌苔、弦脈などから大柴胡湯
     を処方。10月22日には症状がすっかり改善したといって、
     インフルエンザワクチンの接種に来院。12月上旬から
     便秘傾向となり、1週間で1回しか排便がなかったといって
     12月27日に来院。

【現 症】身長151cm、体重50Kg、血圧92/66mmHg、脈拍86/分、整。
     眼瞼結膜に貧血なく、眼球結膜に黄疸なし。胸部の聴打診
     では異常所見なし。腹部の聴診上腸雑音が正常で、
     糞塊を大量に触知した。神経学的所見は特記事項なし。

【検査所見】N.D

【漢方医学的所見】
      望診:健康的な褐色の顔色。肌には張りがあり、乾燥なし。
         固太り傾向。
      舌診:舌質は紫紅色、薄い白舌苔、歯痕なし。舌下静脈(+)
      問診:学校では元気で、クラスメートの先頭に立って
         引っ張っていく性格。
         手足の冷えはなく、元々便秘傾向ではあった。
         幼少時より良く食べて、食べすぎとよく言われている。
         生理痛が強く鎮痛剤を服用する。生理不順はない。
      脈診弦脈
      腹診:全体に弾力がある。心下痞ヲが臍の辺りまで触知。
         臍傍圧痛・抵抗と左小腹急結(左鼡径部の部分に強度
         の圧痛を認める)を触知。胸脇苦満なし。
         小腹ヲ満ともいえる腹候

【経 過】本症例は漢方医学的所見および感染後の遷延した病態
     の大柴胡湯を使用して早期の治癒が得られたことから
     陽実証と判断され、便秘に対して大黄芒硝剤を使
     うことが可能と判断された。また、生理痛があり、
     舌、腹の所見から典型的なオ血(血オ)の状態と考え
     えられる。そこで漢方薬Fを3包分3で使用した。2日
     後には腹痛とともに大量の排便があり、すっきりした
     とのことである。その後も3包分3のままで下痢にな
     になることもなく服用を続けている。生理痛の改善も
     視野にいれて継続投与としている。

【検討課題】漢方薬Fとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第七回

【症 例】52歳 女性

【主 訴】陰部掻痒感

【既往歴】坐骨神経痛(理学療法を受けていた)
     便秘(桂枝加芍薬大黄湯で改善)
     生理不順(婦人科通院)
     不眠症(黄連解毒湯で改善)

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】1998年7月上旬から眼痛が出現。その後眼痛を繰り返
     して眼科に通院していた。平成18年1月2日体熱感が出
     現し、陰部の掻痒感が出現。痰が少し絡んで、尿量が
     少なくなったといって1月16日に来院。

【現 症】身長162cm、体重55Kg、体温37.2℃、血圧122/84mmHg、
     脈拍76/分、整。眼瞼結膜に貧血ないが、眼球結膜が
     充血。胸部の聴打診では異常所見なし。神経学的所
     見は特記事項なし。

【検査所見】N.D

【漢方医学的所見】
      望診:目の充血が著明。紅潮した顔色。肌、筋肉には張りが
         ある。
      舌診:舌質は紫紅色、灰色がかって黄色みを帯びた白舌苔、
         歯痕(+)。舌下静脈(±)。
      問診:普段元気だが、ほてりの傾向にある。尿量減少ととも
         に膀胱炎症状、熱感がよく出現し、口が苦くなり食欲
         が低下することが多い。精神的には緊張することが多
         く、家族のことでイライラし易いという。
      脈診:沈滑脈
      腹診:全体に弾力がある。
         腹直筋の軽い緊張と下腹に張りがあり、小腹ヲ満に近
         い状態を認めた。

【経 過】本症例の既往歴で不眠症に黄連解毒湯が有効であった
     ことから熱証が発現し易い体質がうかがわれた。尿量
     の減少に起因して、陰部の症状が出現すること、ほて
     り易い体質などから、陰部掻痒感は下焦熱証と捉え
     ることができた。さらに精神的にイラツキがあり、眼
     の充血、顔面のほてりからいわゆる肝火上逆の要素も
     供えていた。これらを考慮して漢方薬Gを3包分3で使
     用した。4日後の1月20日に来院して「陰部掻痒感は
     1月19日朝には全くなくなった。時に出現していた陰
     部の症状がこんなに早く改善したことはなかった。
     痰のからみもほとんど感じなくなったが、軟便とな
     となった」とのことである。陰部の掻痒感と眼の充血、
     痰が改善したので、1日1包の服用とするようにと指示
     した。

【検討課題】漢方薬Gとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第八回

【症 例】23歳 女性 OL

【主 訴】発

【既往歴】特記事項なし

【現病歴】平成18年1月6日に咽頭痛、頭痛、咳嗽が出現して近医
     受診。ロキソニン、メイアクト、フスコデ、ムカダイン
     をそれぞれ1日3回で5日分処方された。1月11日に解
     しないといって来院。

【現 症】166cm、56Kg、血圧122/80mmHg、脈拍90/分。
     体温37.8℃。
     胸腹部は聴打診上は問題なし。貧血、黄疸なし。

【漢方医学的所見】
      望診が続いているわりには元気そうな様子。顔面紅潮。
         舌は乾燥した白苔を認める。舌質は鮮やかな紅色。
      問診:ロキソニンが効いている時間は解しているが、6時
         間経つと発する。発時には発汗するが気持ちよ
         くなく、頭痛と背部に少し悪寒を感じる。
         口渇が強いが、食欲はいつもと変わりない。
         下痢なし、便秘なし、排尿に異常なし。時に咳が出る
         が咳き込む事はない。
      切診:浮緊数脈。腹壁は発汗で湿潤。
         胸脇苦満腹皮拘急心下痞コウ
         臍上悸はすべて認めていない。

【経 過】生来元気に過ごしてきた方で、今回の上気道炎症状を契
     機に持続的発が出現した。体力、体質は陽実証を示し
     上気道感染を上手く処理できずに病態が陽明病期に移行
     したと考え、口渇あるも尿量の減少なく、胃腸症状の訴え
     もないことから漢方薬Hを5日分処方した。
     1月14日に「明日が日曜日だから今日来ました。体温は昨
     日(漢方薬服用3日後)から平熱となりました。もう飲まなく
     てよいでしょうか」といって来院。
     稽留熱の徴候を示していたので、熱の具合をみて検査が
     必要になるかもしれないことを伝えておいたための来院
     であったが、この時点で治療終了とした。

【検討課題】漢方薬Hとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第九回

【症 例】68歳 男性 会社役員

【主 訴】頭痛

【既往歴】虫垂炎の手術(高校生の時)

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】平成17年9月ごろより頭痛が出現。近医受診して緊張
     型頭痛として、筋弛緩薬、抗不安薬を処方されたが、
     頭痛の頻度が多くなって、ほぼ毎日のように鎮痛薬が
     必要になったといって来院。

【現 症】164cm、77Kg、血圧150/90mmHg、脈拍88/分。
     胸腹部は聴打診上問題なし。貧血、黄疸なし。

【検査】白血球数11,460/μl、
    中性脂肪 235mg/dl以外問題なし。

【漢方医学的所見】
      望診:がっちりした体格で体力はありそう。顔面紅潮。
         眼球の充血が見られる。
      舌診:白舌苔、舌質は紅、舌下静脈(±)
      問診:頭痛は何の誘因もなく半年前から出現。職場では
         最近怒りっぽく、顔面がほてることがある。食欲は普
         通だが胸やけを感じることがある。下痢、便秘、冷え,
         口渇、不眠などは全てないが、やや頻尿傾向。
      切診:大兼弦脈、心下痞コウ(++)胸脇苦満
、          腹皮拘急臍上悸などは認めない。

【経 過】生来元気に過ごしてきた方で、今回会社のことでの
     ストレスは意識していないものの怒りっぽくなった。
     顔面のほてりも考慮して陽実証気逆と判断した。
     また、口渇なく、胸やけ、心下痞コウなどを考慮して
     漢方薬 I を1週間投与した。
     1週間後に来院して「頭痛はまったくなくなった。胸
     やけもなく、気分が爽やかとなり、漢方治療が気に
     入ったので、今度は頻尿を治してくれ」となった。
     血圧も141/86mmHgと改善傾向を示した。この時点で
     頭痛の治療は終了とし、頻尿の治療に取り掛かった。
     先急後緩の治療原則である。

【検討課題】漢方薬Iとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十回

【症 例】50歳 女性 事務員

【主 訴】腹痛、胸腹部の冷え

【既往歴】卵巣のう腫(30歳)、不妊治療(37歳)、甲状腺腫(45歳)

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】平成17年暮れから上半身に冷えを感じるようになり、
     便秘が出現。市販の便秘薬を服用すると腹痛があり
     服用ができない。胸部の違和感、頭冒感、気力がなく
     なった、食欲不振、髪が逆立つなどの症状が出現して
     平成18年1月17日に来院。補中益気湯にて胸部の違和感、
     頭冒感などの症状はおおよそ改善してきたが、胸背部の
     冷え、胃部の冷え、嘔気、腹痛が増強してきたといって
     再度1月30日に来院した。

【現 症】体重55Kg、身長157cm、血圧130/74mmHg、
     脈拍72/分、整。
     聴診上胸部には異常所見ないが、腸雑音の
     わずかな亢進を認めた。

【検査】N.D
【漢方医学的所見】
      望診:中肉中背。顔面、腹部の肌は滑らかで色白。
      舌診:歯痕(++)、白舌苔、湿潤、舌下静脈(+)
      問診:兎に角胸腹部の冷えが強い。手足の冷えや
         頭痛は感じない。下痢、眩暈はなく、やや便秘傾向
         にあり、腸の蠕動運動を感じると軽い嘔気が来る。
      切診:沈遅しょく脈。腹診では全体に冷感高度で軟弱。
【経 過】胸腹部の冷えと腹痛が顕著な症例であることから、
      裏寒 虚証の症例であり、裏の 温補の剤が適している
     と考えた。附子粳米湯が想起されるが、
      時に嘔気 はあるが、激しくは無い。嘔吐がなく、腹痛も耐え
     がたいほどの激しいものではなかったことから、また
      血虚の徴候にも乏しかったことから医療用顆粒剤の
     漢方薬 J を処方した。
     14日後の来院時に「体全体が温まってきた」「便が
     気持ちよく出るようになった」「気力が出てきたが
     まだ十分でないのでこの漢方薬を続けたい」と1か月
     分持ち帰った。1ヵ月後の来院時には「気力がもう
     少しという。 切診に おける腹部の冷感が消失。腸雑
     音も正常になっていた。再び 補 中益気湯の処方を提
     案したが、またあの冷えと腹痛が怖いからと再び
     漢方薬 J を1ヶ月持ち帰った。

【検討課題】漢方薬Jとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十一回

【症 例】70歳 女性 無職

【主 訴】喉の痛み、飲水で嘔吐、唾が口に溜まる

【既往歴】他院で糖尿病、便秘、
     胃炎の治療中(アマリール、アセナリン、酸化マグネシウム服用中)

【家族歴】祖父:胃癌、父:認知証、母:気管支拡張症

【現病歴】平成18年3月中旬から上記症状が出現。通院中の内科で
     胃内視鏡検査を受け異常なく、耳鼻科での検査も異常なし
     と言われたが症状が改善しないといって4月8日に来院した。

【現 症】体重46Kg、身長152cm、血圧148/81mmHg、脈拍98/分、整。
     咽喉部の発赤を認める。
     聴診上胸部には異常所見ないが、腸雑音は正常。

【検査】WBC9090/μl、Hb14.2g/dl、血小板34.0/μl、T-P7.8g/dl、
    A/G:1.23、α2グロブリン10.0%、γグロブリン21.1%、
    CRP2.12mg/dl、IgG1827mg/dl、赤沈値35mm/時。
【漢方医学的所見】
      望診:痩せ型。顔面、腹部の肌は滑らかで色白。
      舌診:舌は痩せていて、無苔、湿潤、歯痕(+)。舌下静脈(+)
      問診:口腔内に唾液が溜まる。全身的な冷えがある。
         軟便傾向にあるが、眩暈、腹痛はない。
         最近、飲水のたびに嘔気を感じ、嘔吐する。
         以前より飲水時に心下振水音を聞くことがあった。
      切診:沈細弱。腹診では全体にやわらかく、軽い
         心下痞コウを触知する。上腹部は冷感を感じるが、
         臍傍圧痛抵抗、小腹拘急胸脇苦満などは認めない。

【経 過】咽喉部の発赤を認めるものの経過が長いことから、
     単なる咽喉炎、上気道炎としての治療では対処できないと判断。
     全身の冷えと軟便から、裏寒虚証の症例と判断。
     裏の温補の剤が適していると考えた。
     また歯痕舌があり、嘔吐を繰り返していることから
     水毒の徴候も治療の対象とすべきと考えた。
     しっかりした舌下静脈の怒張を認めたが、症状、腹診
     ではお血の徴候に乏しいため、第二義的症状として対処を後回し
     (先急後緩として、医療用顆粒剤の漢方薬 K を処方した。
     14日後の来院時に「喉の痛みが改善」「唾液が口にたまらなくなった」
     とのことで、さらに2週間の投与をして、検査を再度実施。
     その結果、WBC9090→7730/μl、T-P7.8→7.5g/dl、A/G:1.23→1.51、
     α2グロブリン10.0→8.2%、γグロブリン21.1→19.2%、
     CRP2.12→0.19mg/dl、IgG 1827→1631mg/dl、赤沈
     値35→16mm/時と全て改善した。
     なお、舌下静脈の怒張は5月13日の時点で、軽快傾向にあり、
     駆お血剤の投与はしていません。

【検討課題】漢方薬kとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十二回

この症例検討会では、漢方に馴染みの薄い方々にも楽しんでいただけるように、
できるだけ単純な医療用顆粒剤1剤で軽快した症例についての出題を基本として
います。今回は新趣向として、どうしても顆粒剤でなく煎剤が必要であった症
例を提示します。応用問題というよりは、漢方薬選択の幅を少し広げましたが、
基本的症例であることには変わりありません。

【症 例】76歳 女性 無職

【主 訴】悪寒、全身倦怠感、口腔乾燥、耳鳴

【既往歴】他院で高血圧、狭心症、
     不整脈の治療中(ノルバスク、ニトロールR、ノルペース服用中)
     母:気管支拡張症

【現病歴】平成17年11月ごろから上記症状が出現。通院中の内科での検査では
     特段の異常はないといわれた。その内科医院で十全大補湯が処方さ
     れて服用したが、症状が改善せず、全身の冷えと顔面のほてのほて
     り感が出現し、次第に食欲がなくなり、軟便傾向となったといって
     平成18年2月13日に来院した。

【現 症】体重39Kg、身長147cm、血圧129/67mmHg、脈拍95/分、整。
     聴診上胸腹部には異常所見ない。
     皮膚に異常所見なし。

【検査】WBC3930/μl、Hb10.8g/dl、血小板22.0/μl、T-P7.4g/dl、
    A/G:1.47、α2グロブリン9.6%、γグロブリン17.9%、
    CRP<0.05mg/dl、BNP 73.9pg/ml、IgG 1321mg/dl、IgM 371 mg/dl

【漢方医学的所見】
      望診:痩せ型。顔面、腹部の肌は滑らかで色白。
        虚寒証を思わせ風貌。
      舌診:舌は痩せていて、無苔、湿潤、歯痕(+)。
        舌下静脈(−)。
      問診:手足の冷えは強いが、ときどき倦怠感とともに
        顔面に熱感、耳鳴も感じる。軟便から下痢の傾向にあり、
        消化されない食物が排出することがある。眩暈、腹痛はない。
        最近、薄い尿となったような気がする。食後に心下振水音を
        聞くことがあった。
      切診:沈遅弱。腹診では全体に非常にやわらかく力がない。
         腹部全体に冷感を感じるが、臍傍圧痛抵抗、小腹拘急
         胸脇苦満などは認めない。

【経 過】5月に出題した症例よりさらに寒証が顕著で虚証の症例と診断した。
     虚証に対する十全大補湯でも冷え、倦怠感には無効であった。
     下痢清穀(完穀下痢)のことがあり、全身の悪寒、咽中渇き、
     ときにほてりが生じ (真寒仮熱)脈診腹診を参考にすると、
     顆粒剤では対処が難しいと判断。厥陰病期の代表的処方Lを
     煎じ薬で処方した。
     14日後の来院時に「体が暖まって今まで経験したことないように
     気持ち良い」「便が固まり始めた」とのことで、さらに2週間の投与をした。
     4週間後の診察では、にこにこと穏やかな表情で「全ての症状が
     改善している」という。しばらく本処方を継続投与の予定とした。

【検討課題】漢方薬Lとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十三回

【症 例】26歳 女性 事務職

【主 訴】無月経、尋常性ざ瘡

【既往歴】アトピー性皮膚炎
     アレルギー性鼻炎(ダニ、HD、犬上皮、スギなどに陽性)
     他院で中学時代より尋常性ワ瘡の治療を受けていた
     (フロモックス、ニポラジン、アクチアムCrなど)

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】平成17年12月下旬から無月経となり、頤周囲を中心に尋常性ざ瘡が
     悪化したといって、平成18年2月20日に来院。

【現 症】体重48Kg、身長148cm、顔面には広範に赤黒いワ瘡を認める。
     聴診上胸腹部に異常なし。

【検査】N.D

【漢方医学的所見】
      望診:中肉中背。皮膚は色黒、顔面はワ瘡を多数認める。
      舌診:舌は紅点を多数認め、薄い白苔あり、舌下静脈(++)
        と顕著に現われていたが、歯痕舌はない。
      問診:肩こりがあり、手足の冷えを感じ、顔面はほてることが
        あるがのぼせるほどではない。
        食欲に問題なく、排便、排尿は順調だという。
        睡眠は十分にとれる
      切診:沈弦脈。腹診では全体にしっかりしていて、臍傍圧痛・抵抗が顕著。
        小腹急結も認める。わずかな胸脇苦満があるが、自覚的な胸脇の
        重苦しさ、心煩はない。

【経 過】2月20日の来院時、実証の傾向にあり、水毒の徴候に乏しく、
     明らかなお血の徴候を根拠に、また小腹急結はあったが、
     便秘の傾向になく、のぼせ、気逆の徴候に乏しかったため、
     桃核承気湯を回避して、生理不順を改善することを目的に
     漢方薬Mを処方した。4月5日の来院時には、生理がきて、
     軟膏は一切使用していないが顔面のワ瘡もほとんど消失していた。
     そこで本人の希望で治療を中断したが、また生理がこなくなり
     顔面のワ瘡がひどくなったといって6月12日に来院。
     再び漢方薬Mを処方。6月26日に来院。ワ瘡も改善し、
     生理も再来したとのことで、しばらく漢方薬Mをつづけて
     いただくこととした。
     生理不順については、もう少し経過観察が必要と考えられるが、
     瘡に対して顕効していることなどから本症例には漢方薬Mが極めて
     有用であることが窺われた。

【検討課題】漢方薬Mとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十四回

【症 例】58歳 女性 主婦

【主 訴】気、嘔吐、頭痛

【既往歴】気管支喘息、花粉症、高脂血症、左脚前枝ブロック

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】平成18年7月、暑い日に庭仕事をして大量の発汗があり、
     昼食の仕度に部屋に戻ったが、頭痛、気、嘔吐が出現した。
     その日の夕方に来院された。

【現 症】身長148.4cm、体重52.2Kg、血圧122/81mmHg、整。
     顔色不良。胸部聴診上は特記事項なく、腹部の聴診では腸雑音聴取。
     触診では硬結など触知しない。

【検査】N.D

【漢方医学的所見】
      望診:中肉中背。顔色不良であるが虚証の印象はない。
      舌診:湿潤し、歯痕舌を認め、薄白舌苔を認める。舌下静脈(++)。
      問診:来院時にはすでに発汗はなくなっていた。
        毎年、夏になると同様の症状が出現し、飲水量が多く、
        しばらく胃腸の調子が悪くなる。
        頭痛をともない、口渇が強く、飲水の割りに尿量が減少し、
        便秘に傾くという。
      切診:浮滑脈。腹診では熱感があり、わずかな心下痞コウ
        臍傍圧痛・抵抗を触知。


【経 過】虚実間。熱中症と診断されるが、悪心・嘔吐・頭痛・口渇・尿量減少
     などから清暑益気湯は不適と考えられた。熱証と便秘の傾向で
     大承気湯も考慮されるところであるが、はっきりしたオ血の徴候と
     便秘に傾くことを考慮して、就寝前に桃核承気湯を服用していただく
     こととして、朝食前、昼食前、夕食前に漢方薬Nを処方した。
     1週間後の来院で、処方の次の日には尿量が普段どおりになり、
     頭痛が改善。2日目には気、嘔吐もなくなったが
     「漢方薬Nを服用していると、庭仕事が楽だ」といって
     「夏の間はこの漢方薬Nの服用を続けたい」という。
     腹痛もなく便通も良好とのことである。

【検討課題】漢方薬Nとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十五回

【症 例】75歳 女性 

【主 訴】眩暈

【既往歴】不眠症
    (長年働いて貯めた貯金を銀行員にごまかされてから神経症ぎみという)

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】不眠症に対して睡眠導入剤で治療中であった。
     胃痛、風邪などの治療に来院されていたが、
     「漢方薬なんて苦くって飲めねえから絶対だすなよ」と言っていた。
     平成18年9月1日何の誘因もなく「昨日の夜から目が回って起きられない」
     「何回も吐いてしまった」といって、ご主人(間質性肺炎で当院通院中)
     に抱えられて来院。


【現 症】身長140cm、体重53.5Kg、血圧110/60mmHg、脈拍58/分、整。
     呼吸促迫傾向。顔色不良。胸部聴診上は特記事項なく、
     腹部の聴診では腸雑音低下。眼振は認めない。

【検査】血算、生化学、検尿で異常なし。

【漢方医学的所見】
      望診:やや肥満だが水太り傾向。顔色不良であり、虚証 の印象。
      舌診:湿潤し、歯痕舌、薄白舌苔を認める。舌下静脈(+)。
      問診:眩暈とともに 気と強い動悸を感じる(実際には頻脈ではない)。
        暑い日が続いて少し飲水量が多く、胃の調子が悪くなった感じがする。
        頭痛をともない、口渇があるが、飲水すると吐いてしまう。
        下痢、便秘はない。
      切診:浮沈中間 弦脈腹診では臍上悸を強く触知し、
         心下振水音を聴取。軟弱で、 胸脇苦満(−)、臍傍圧痛・抵抗(−)。


【経 過】虚証水毒気逆の徴候が顕著に現われていると判断。急性の
     良性頭位変換性眩暈と診断。水毒から 五苓散も考慮したが、
     臍上悸が強く尿量に異常がないので使用を控えた。
     脾虚の状況もありそうだが、慢性的に脾虚の状態が続いている
     わけでなさそうなので、 半夏白朮天麻湯でもないと判断。
     漢方薬Oを3日分処方。薬を3日分しか、それも漢方薬だけしか
     貰えないということで大変にご不満な様子であった。
     次の日に来院され、検査結果が良好であったことに安心された様子。
     眩暈の感じだけが残っているという。悪心・ 嘔吐なし。
     9月4日に来院して「この漢方薬は旨い。よく効く」とご満悦の様子。
     「しばらく飲んでやるから出しておけ」とのことで、もう1週間投与した。
     あの漢方薬で胃の調子も頭もすっきりしたので「飲み続けてやるよ」
     といったが、一旦廃薬とした。漢方ファンがまた一人です。
     嬉しい限りです。

【検討課題】漢方薬Oとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十六回

【症 例】53歳 女性 

【主 訴】微熱

【既往歴】関節リウマチ(活動性が高く、半年前から生物学的製剤を
 使用中)

【家族歴】特記事項なし

【現病歴】関節リウマチに対して、MTX、PSL、infliximabが使用されているが、
     関節リウマチの活動性が高く、さらに37.4℃程度の熱が続き、
     漢方治療を追加することとしました。

【現 症】身長156cm、体重51Kg、血圧116/77mmHg、脈拍96/分、整。
     呼吸促迫傾向。胸部聴診上は特記事項なく、
     腹部の聴診では腸雑音低下。

【検査】血算Hb10.5g/dl、WBC7960/μl、生化学は特記事項なし、検尿で異常なし。
    免疫血清学では赤沈66mm/時間、CRP9.97mg/dl、リウマチ因子110U/ml。

【漢方医学的所見】
      望診:顔色良好であり、やや発汗傾向にある。実証の印象。
      舌診:舌質紅、やや乾燥し、黄舌苔を認める。舌下静脈(±)。
      問診:熱が出現してから便秘となって、精神的に不安定となっていると言う。
        口渇なし。尿不利なし。生理は不順となっているが、
        生理に関連した症状はないと言う。
      切診弦脈腹診では心下痞コウを強く触知し。
        胸脇苦満(−)、臍傍圧痛・抵抗(−)。


【経 過】実証気逆の徴候が現われていると判断。陽明病期、裏熱実証と診断できる。
     裏熱実証と便秘、強い心下痞コウを目標に漢方薬Pを2週間分処方。
     2週間後の来院時には便通がよくなったと言う。
     体温はやや下がったが37.2℃前後であった。漢方薬Pを再び2週間分処方。
     漢方薬P服用1ヵ月後には体温が37℃以下となり、
     快適に過ごせるようになった。
     さらに関節痛も改善傾向にあり、CRPも3.96mg/dlと相乗効果が得られたと
     考えている。
     現在も一日3回服用中です。


【検討課題】漢方薬Pとは何か奮ってご回答下さい

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十七回

【症 例】
79歳、男性 

【主 訴】
膀胱に尿が溜まると会陰部に激痛が出現する

【既往歴】
高血圧(アダラートL服用中)、逆流性食道炎(タケプロン15mg服用中)、高脂血症(リピトール、ローコール等でCK上昇のため治療なし)、アレルギー性皮膚炎(inactive)胃潰瘍(inactive)

【現病歴】
高血圧、逆流性食道炎の治療中に主訴が出現。同じ病院の泌尿器科で排尿障害の投薬を受けたが改善せず。鎮痛薬で胃潰瘍が再発するのではないかと鎮痛薬の投与を拒否して来院。

【現 症】
体重66Kg、身長166cm、血圧122/68、脈拍68/分、整。胸腹部に異常所見なし。尿所見で蛋白(+)、糖(±)、ウロビリ(+)、PH(6)、潜血(−)

【漢方医学的所見】
望診:家人に抱えられて来院。腰脚の衰えがみえ虚証
舌診:湿、薄い白苔、舌下静脈(+)
問診:夜間頻尿(3回)があるが、尿量は少ない。膀胱に尿が溜まると兎に角会陰部に激痛がくる。
秋になって足が冷えてきたら余計にその症状が強くなった。最近は下肢の脱力が強くなって外出は家人の助けが必要と
なってしまった。食欲はあり、最近は胃の心配がなくなった。
切診:沈、腹は臍下不仁


【経 過】
漢方薬Qを処方。食欲不振あるいは既往にある胃潰瘍への影響を考えて食後に服用を指示して10日後の来院を約束した。しかし、奥さんが薬だけを貰いに来院し、ご本人は5週間後に来院した。先ず、会陰部の激痛が軽快したと喜ばれた。尿量が増えたが、夜間尿は2回になっているという。一人で歩けるようになったので5週間後の来院となったと。



【検討課題】
漢方薬Qとは、先生方どんな処方が考えられますでしょうか。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十八回

【症 例】
38歳、女性 

【主 訴】
眩暈

【既往歴】
学生時代から時々貧血を指摘されていた
2年前にメニエール氏病と診断された

【現病歴】
3週間前から眩暈が出現。以前から耳鳴があり、またメニエール氏病の再発かと思ったが、症状は強くなく様子を見ていたが改善がなく、全身が重怠くなり来院。

【現 症】
体重49Kg、身長155cm、血圧118/76、脈拍89/分、整。胸腹部に異常所見なし。
血算でHb9.8g/dl以外尿検査、生化学全て異常を認めない。

【漢方医学的所見】
望診:顔色は青白く、スラっとした体格で虚証
舌診:歯痕(+)、湿、薄い白苔、オ点、舌下静脈(+)
問診:食欲があり、どんな薬も胃に障ったことはない。主訴の他に肩こり、動悸、冷え症、不眠、生理不順があり、特に今回生理が10日以上遅れている。
切診:細滑数脈、腹診では臍上悸を強く触知して軟。


【経 過】
虚証であるが、胃腸系に問題がなく、血虚気逆水毒の錯綜に基づく眩暈と考えて漢方薬2剤を併せてRと呼ばれている漢方薬とした。1ヵ月後の来院時、不眠、肩こりが改善して体が軽くなったと言う。眩暈は起床時に少し感じる程度となった。2ヵ月後には耳鳴はあるが気にならなくなった。3ヵ月後には生理不順が改善していることに気がついた。胃腸系はまったく問題なし。しばらくこの処方を続けることとした。



【検討課題】
漢方薬Rとは、先生方どんな処方が考えられますでしょうか。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第十九回

【症 例】
18歳、女性、大学生 

【主 訴】
頻脈、手指振戦、発汗異常、体重減少

【既往歴】
1歳時;突発性発疹、2歳時;肺炎で入院

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
大学に入学して、一人暮らしになってから上記症状が出現。近医にて甲状腺その他の検査を受け異常なく、抗不安薬を投与された。症状は軽快傾向にあったが、昼間余計に眠くなるので、抗不安薬は服用したくないと言って来院。

【現 症】
体重62Kg、慎重154.5cm。血圧118/76、脈拍96/分。聴診上胸腹部に異常所見なし。神経学的にも異常なし。

【検査】尿、血算、生化学、甲状腺ホルモンに異常なし。

【漢方医学的所見】
望診:色黒で固太り。
舌診:舌尖は強い紅色、C点を認め、舌下静脈(++)。
問診:最近になって、近所の子供の声がうるさくてたまらない。勉強が手につかない。不眠傾向となり、昼夜逆転となっている。排便、排尿に異常なし。冷え症なし。
切診弦脈腹診では両側の上腹部に腹皮拘急を認める。


【経 過】
虚実中間。精神・神経の過敏状態が底辺にある主訴と考えて、漢方薬Rを処方。1週間後に来院して、気分的には少し落ち着いてきたようだという。4週間分投与。4週間後に来院して、頻脈、手指振戦が改善したが、不眠傾向は続いている。さらに4週間後の来院では昼夜逆転が軽快。しかし、「体重が戻らない。この処方で少し押さえつけられているようだ」ということで、一日2回の服用とした。現在投与4ヶ月目になるが、一日2回の服用を続けている。



【検討課題】
漢方薬Rとはなんでしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十回

【症 例】
62歳、女性 

【主 訴】
咽頭痛

【既往歴】
高血圧、頭位変換性眩暈、更年期障害

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
更年期障害にて治療を受けていた2006年2月24日、感冒様症状、眩暈出現 して来院。葛根湯にて改善。4月18日咽頭痛が続き微熱を訴えて発症5日目に来院。小 柴胡湯加桔梗石膏にて改善。その後も軽い感冒様症状が頻繁に出現していた。6月12 日には咽頭痛、息苦しさ、全身のこわばり感などの症状が増強して再び来院。

【現 症】
体重60Kg、身長155cm、聴診、神経学的検査に異常を認めない。

【検査】CRP 1.66mg/dl、赤沈値 42mm/時。尿、血算、生化学に異常なし。

【漢方医学的所見】
望診:血色が悪く乾燥した皮膚。頭部にわずかな発汗を認める。神経質そうなしぐさ。
舌診:舌質は淡紅色で無苔。やや乾燥ぎみ。
問診:時々微熱(37.2℃程度)があり、空咳もでる。最近、尿量が少なく、口渇がるので脱水では無いかという。しかし、飲水で胃もたれ、軟便となるのでそんなに飲めないと。
切診:沈細脈。腹診では全体に軟で、わずかな胸脇苦満臍上悸


【経 過】漢方薬Sを7日分処方。1週間後「尿がよく出始めて咽頭痛、咳嗽、微熱が改善した」が「息苦しさがと頭部の発汗が続く」とのことで、継続投与とした。投与6週間後には、息苦しさ、手足の冷え、頭部に発汗、盗汗も改善。服用していると更年期障害の症状にも効いているようなので続けたいという。2007年2月10日現在も継続服用されているが、振り返れば、昨年の6月以来感冒様症状はまったくなくなっている。



【検討課題】
漢方薬Sとはなんでしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十一回

【症 例】
45歳、男性 

【主 訴】
食後の水様便

【既往歴】
人間ドックで胃下垂を指摘された

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
数年前から上記症状のほかに腹脹が出現。他院で精査されて過敏性腸症候群と診断された。止痢剤で便秘となり、その後の下剤で腹痛下痢となってしまうといって2005年7月に来院。

【現 症】
体重58Kg、身長176cm。聴診上胸腹部には異常所見ない。神経学的に異常所見なし。

【漢方医学的所見】
望診:顔色不良、神経質な仕草が目立つ。
舌診:胖大、舌質は淡紅色、わずかな歯痕、舌下静脈(+)。
問診:食欲は普通で、食べられるが、食後2時間で必ず腹痛とともに水様便が出現する。全身的には冷え症の傾向にある。
切診:沈遅細。腹部は腹直筋が両側緊張していわゆる腹皮拘急


【経 過】漢方薬Uを14日分処方した。服用3日目には効果が現われて排便は軟便で一日2回に改善。1ヵ月後には普通便となり腹痛も改善し、断続的に服用していた。11月に寒くなって、腹鳴、軟便と腹痛が出現。腹皮拘急がなくなり、臍下の冷えと不仁を認め、腎陽虚の要素も加わったため真武湯に変更。2006年2月18日までの寒い間はこの真武湯を服用した。その後、再び腹皮拘急が出現し、漢方薬Uに戻し、現在一日2回の服用で継続。2007年の冬は暖冬のためか本漢方薬が効いているという。



【検討課題】
漢方薬Uとは何か。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十二回

【症 例】
69歳、男性 

【主 訴】
発熱と倦怠感

【既往歴】
アトピー咳嗽治療中(クラリチン、麦門冬湯)、腎性糖尿

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
2007年2月17日散歩していた時、下肢倦怠感を自覚。2月18日
37.6℃の発熱。発汗を繰り返し、熱感が取れないと言って2月21日に来院。

【現 症】
体重65Kg、身長160cm。体温37.1℃。聴診、神経学的に異常なし。

【検査】
蛋白尿(−)、糖尿(+++)、ウロビリ(±)、潜血(++)。赤沈8mm/時、CRR 0.83mg/dl。

【漢方医学的所見】
望診:顔面紅潮、燥黄舌苔、歯痕舌(+)、舌下静脈(±)
問診:躯幹部は熱感あるが、手足は冷え、いわゆる熱厥の状態。尿が思うように出ない。口渇が強い。
切診弦脈、腹壁に熱感。


【経 過】上気道感染後の軽い脱水様の病態が想定された。熱厥、口渇、尿量減少、尿潜血陽性から漢方薬Vを処方。次の日には口渇が消失し、2日後には36.1℃と解熱。その後発熱はなく、倦怠感も消失。2月26日の検査で蛋白尿(-)、糖尿(+++)、ウロビリ(±)、潜血(-)と元の状態に戻った。



【検討課題】
漢方薬Vとは何か。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十三回

【症 例】
78歳、男性 

【主 訴】
全身のほてりと動揺感

【既往歴】
パーキンソン病治療中(アーテン、マドパーなど)

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
パーキンソン病治療中。2007年1月に入り、全身のほてりと動揺感が
出現。冬なのに暖房が気持ち悪く、動揺感が出現するといって来院。

【現 症】
体重32Kg、身長156cm。109/58mmHg、脈拍74/分、整。顔面紅潮。全身の震戦を認める。聴診上胸腹部には異常所見ない。神経学的にMyelson sign陽性。Muscle rigidityを認める。

【検査】
N.D

【漢方医学的所見】
望診羸痩、禿頭、義歯。顔面紅潮。身潤動(全身の震え)。食欲良好で胃腸は丈夫。便秘の傾向があり桃核承気湯を服用中。
舌診:薄い白苔、歯痕(+)、舌下静脈(+)
問診:腰痛と特に下半身の倦怠感。特に夕方からほてりが出現して、身体の動揺を感じる。
切診:沈弱、腹部は全体に軟、臍下不仁


【経 過】漢方薬Wを処方。2週間後に排便が順調となって、服用していた桃核承気湯が不要になったという。しかしほてりの症状は相変わらず。しかしこの漢方薬が非常に飲みやすいので続けたいという。全身の震戦が改善してきた。4週間後にはほてりが改善傾向を示した。5月に入り、暖かい日にもほてりは出現ぜす、動揺感も完全に消失。パーキンソン病に基づく震戦は軽くはなったが持続している。



【検討課題】
漢方薬Wとは何か。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十四回

【症 例】
54歳、女性 

【主 訴】
全身倦怠感と全身の浮腫

【既往歴】
シェーグレン症候群、便秘

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
シェーグレン症候群および便秘に対して滋陰降火湯7.5g分3、
桃核承気湯2.5g分1就寝前の服用にてコントロールされていた。全身倦怠感と全身の浮腫は多数の医療機関で検査を受けたが問題ないといわれた。同時に2007年2月27日に花粉症が再燃し、抗アレルギー薬でこれ等の症状が増悪するので花粉症の治療も漢方治療を希望した。

【現 症】
166cm、62kg。110/63mmHg、脈拍65/分。胸腹部に異常所見なし。

【検査】
抗核抗体320倍(speckled)、SS-A1 8倍、他の血算、生化学に異常なし。

【漢方医学的所見】
望診:淡紅色無苔、舌下静脈(±)
問診:浮腫が強くなると全身倦怠感が強くなるようだという。口乾だけでなく口渇があるが水を飲むと胃内停水が強くなり、嘔気がするので飲みたくないという。
切診滑脈。腹部は軟。心下振水音(++)。


【経 過】2007年2月27日滋陰降火湯を休薬として先ずは花粉症を目標に漢方薬Xを処方。3月25日来院。花粉症にはこの漢方薬が良く効いているという。全身倦怠感は軽快傾向にあったが、まだ残っている。4月27日来院。花粉症の症状が改善。倦怠感、浮腫もほとんど消失した。一旦休薬。6月5日来院。排尿量が減少して、また浮腫の傾向が出現し、倦怠感も出現ているという。漢方薬Xを再投与。6月12日来院。浮腫がすっかりなくなり、倦怠感もないという。この漢方薬をしばらく継続することとした。



【検討課題】
漢方薬Xとは何でしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十五回

【症 例】
56歳、女性 

【主 訴】
頭痛

【既往歴】
全般性不安障害

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
2年前、娘さんの脳腫瘍が見つかってから精神的に不安定となり、頭痛が出現。近医からソラナックス、テグレトールが処方されていた。テグレトールの使用頻度が高くなり、さらに不安になって2005年5月10日来院。

【現 症】
161cm、49Kg、血圧110/75mmHg、脈拍86/分、整。胸腹部に異常所見なし。

【検査】
尿所見で潜血(+)、生化学で総コレステロール262mg/dl以外異常なし。

【漢方医学的所見】
望診:青白い顔。舌質は紫紅色、。舌下静脈(+)
聞診:言葉遣いが堅い印象がある。
問診:精神的に不安定で、イライラし、落ち着きが無い。音に敏感で頭痛が出現する。不安感が続き体力的にも低下して、精根尽きた感じという。胃の辺りに物が詰まっている。今年の冬は特に冷えを強く感じた。
切診ト脈。心下痞堅胸脇苦満なし。臍傍圧痛・抵抗なし。


【経 過】精神的ショックを受けて発症したケースであり、気血ともに虚し、を兼ねて、頭痛という表証が出現している。さらに心下痞堅ト脈 を参考に2005年5月17日より漢方薬Yを投与。5月31日には食欲が改善。睡眠が改善し、前医からのソラナックスが不要となった。9月5日の来院時には症状がほとんど改善。テグレトールも不要。10月下旬まで服用。その後1年半は快適に過ごしていたが、2007年6月15日足のシビレが出現したといって来院。漢方薬Yを希望。6月30日には症状が改善し、現在まで服用を続けている。



【検討課題】
漢方薬Yとは何でしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十六回

【症 例】
44歳、女性、主婦 

【主 訴】
発作性の動悸

【既往歴】
小児期に気管支喘息

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
1ヶ月前から誘因なく発作的な動悸が出現。普段はなんとも無いがいつまた発作が起こるか心配となって来院。

【現 症】
身長158cm、体重46Kg、血圧152/77mmHg、脈拍82/分。眼瞼結膜・眼球結膜に異常がなく、胸腹部に聴診上の異常なし。神経学的にも異常所見を認めない。

【検査】
心電図ほか特記事項なし

【漢方医学的所見】
望診:不安感が伺われる表情をしている。体格は普通
舌診:白苔、わずかな舌下静脈を認める。
問診:動悸がしているときには息苦しく、今週に入って食欲がなくなった。 胸が重苦しく、肩こりを感じる。やや便秘気味だが下剤は必要ない。 生理不順なし。生理痛なし。
切診脈。中等度の胸脇苦満心下痞コウを認めた。


【経 過】症状、漢方所見を目標に漢方Zを処方。 2週間後の来院時まで動悸の発作が出現せず、食欲が出てきて食べられるようになた。排便、睡眠も順調となり4週間分の処方を持ち帰った。来院6週間後には舌の白苔は薄い白苔となり、脈がとなった。半年後の現在まで服用を続けている。



【検討課題】
漢方薬Zとはなんでしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十七回

【症 例】
23歳、女性、事務職 

【主 訴】
頭痛、不眠

【既往歴】
特記事項なし

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
高校時代から肩こり症であったが、仕事が忙しくなって頭痛が頻繁になった。市販薬の鎮痛剤を服用していたが、食欲不振、嘔気が出現して9月5日来院。

【現 症】
158cm、51Kg。血圧104/78mmHg、脈拍72/分、整。

【検査】
N.D

【漢方医学的所見】
望診:中肉中背だが、しっかりした体つき。
舌診:薄い白苔、歯痕(+)、舌下静脈(++)
問診:頭痛は市販の鎮痛剤で何とか治まるが頻回となり毎日のように鎮痛剤を服用して、胃の調子が悪くなった。不眠傾向、便秘傾向も増悪して下剤も欲しい。生理不順、生理痛はない。
切診脈。幅の広い胸脇苦満がしっかりある。臍傍圧痛・抵抗を認めない。


【経 過】23歳の女性であること、舌下静脈が(++)と怒張していること、便秘から桃核承気湯を考慮したが、気逆の徴候に乏しく、舌下静脈以外は血の徴候がない。そこで脈診腹診を参考に9月5日漢方薬AAを処方。頭痛がひどいと言うので、西洋薬の鎮痛剤を頓用で処方。9月10日に漢方薬がこんなに効くものかと喜んで来院した。服用した次の朝から排便が気持ちよく、頭痛、肩こりが軽快。鎮痛薬は使用しなかったという。腹診胸脇苦満なし、緩脈となっていた。不眠傾向が続いているので、安定剤が欲しいという。漢方薬AAに軽い安定剤を併用することとした。



【検討課題】
漢方薬AAで不眠症も次第に改善することが期待されます。どんな漢方薬が考えられるでしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十八回

【症 例】
29歳、男性 

【主 訴】
頭痛、嘔吐

【既往歴】
特記事項なし

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
1ヶ月前ころから背部痛、頭痛が出現。近医にてレ線、血液検査を受けましたが異常所見がなく、Cox2選択的阻害薬とムコスタが処方されました。頭痛、背部痛には一定の効果がありあましたが、嘔気が出現。鎮痛剤を服用しないと背部痛、頭痛が強く、服用すると嘔気、嘔吐となるといって来院されました。

【現 症】
161cm、58Kg、血圧102/52mmHg。脈拍64/分。胸腹部に異常所見なし。

【検査】
N.D

【漢方医学的所見】
望診:色白、中肉でやや小柄。
舌診:舌質は淡紫紅色。薄い白苔に泡沫状の唾液が付着。舌下静脈(±)
問診:生来胃腸が虚弱で、鎮痛薬で胃の不調、ストレスで下痢をすることが多かった。
切診
腹診心下痞コウ臍上悸心下支結

【経 過】 (初診日) 生来の胃弱、嘔吐が出現しているということで「脾胃の虚」、下痢しやすいことから「裏寒証」の存在も想起されました。また頭痛から表証にも対応が必要かと考え、漢方薬BBを1剤のみ処方。 (17日後) 頭痛、嘔吐ともに改善。時に嘔気があるということでさらに1ヶ月分処方。舌は淡紅色となり、泡沫状の唾液は消失。脈はとなっていた。腹診心下支結は軽快傾向を示していました。



【検討課題】
どんな処方が考えられますでしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第二十九回

【症 例】
52歳、女性、主婦 

【主 訴】
鼡径部痛

【既往歴】
15年前にメニエール氏病、遊走腎、花粉症(秋から流涙が多い)

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
3年前から時々胸部痛。医療機関での検査で異常なし。最近左鼡径部の疼痛が1日に2〜3回出現。婦人科で異常なしと言われて来院。

【現 症】
162cm、46Kg。胸腹部に異常を認めない。

【漢方医学的所見】
望診:やや痩せ型。気が弱い表情。皮膚は枯燥。爪の脆弱。
舌診:泡沫の唾液。舌質は淡紫紅色。舌下静脈(+)
問診:花粉症で流涙が強く、目がかすむ。気温が下がって手足のシビレと腹痛が出現。下痢なし。便秘なし。不眠症があり安定剤を服用。
脈診:沈細弱脈
腹診:全体に軟。臍上悸。臍傍圧痛・抵抗をわずかに認める。左鼡径部の圧痛が強い。

【経 過】 メニエール氏病の既往があり、めまい感が時に出現。目のかすみ、手足のシビレ、寒くなって胸痛、腹痛が出現して、中医学的には肝血虚(おびただしい流涙の後に出現しやすい)、虚寒などと弁証可能と考え、治法として養血散寒の方剤でさらに気虚も考慮して漢方薬CCを1剤投与。1週間後に来院。腹痛がまったくなくなって、少し元気が出てきた。若干便秘気味となったが、以前プルセニドで腹痛が強くなったとの由。潤腸湯2.5gを就寝前に追加投与とした。以後快適に過ごしているという。


【検討課題】
漢方薬CCとは?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三十一回

【症 例】
52歳女性 

【主 訴】
味覚障害(嗅覚脱出)

【既往歴】
アレルギーの既往なし。脳腫瘍、パーキンソン病など明らかな中性神経性の障害の可能性もない。

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
200×年夏に感冒に罹患。鼻閉と嗅覚障害が残り耳鼻科受診。抗菌薬、ビタミン剤、ステロイド剤(経口と点鼻)等の投与を受けたが改善しないと言って来院。

【現 症】
156cm、52Kg、血圧112/70mmHg。脈拍98/分、整。聴診上胸腹部に異常所見認めず。神経学的検査異常なし。

【漢方医学的所見】
望診:顔面がやや紅潮。不愉快そうな表情であるが肉体的には元気そう。
舌診:歯痕(++)、暗紅色、舌下静脈(+)
問診:口渇、頭痛があり、前額部に熱が籠もりすっきりしない。発汗なし。イライラしてしょうがない。嗅覚障害のためか食欲もなく、むしろ嘔気まで感じる。生理不順が続いている。
脈診:洪数
腹診:しっかりした胸脇苦満

【経 過】 発症3ヶ月後に来院。感染後の嗅覚異常と捉えた。実証熱証胸脇苦満から柴胡のは明らかである。また頭痛、口渇などから柴苓湯柴胡桂枝湯など考慮。熱状と口渇から白虎湯も考慮。太陽、陽明、少陽のいずれのもありそう。また以前からあった生理不順も含めて、不定愁訴なるものを騒ぎ立てるように話す。「肝気の高ぶり」と取れるような訴えであり、発汗できないため熱が頭部に鬱塞した状態を考えさせた。以上から三陽病に用いるとされる漢方薬DDを処方。この漢方薬DDは顆粒剤の二つを合方すると浅田家の処方に類似した処方が作成できるが、桔梗が追加されてしまう。これでもよいが、嗅覚異常という難題のため「煎じ」とした。
1ヶ月後に来院。「服用後2・3日発汗があり気持ちよかった」と。前頭部の熱感がさり、hyposmia(嗅覚減退)程度に改善したという。この処方を服用して「私は以前から胸脇部が苦しかったのだと気づきました」「それがすっかりとれました」とのこだった。柴胡剤の順当な効果を実感した。
2ヵ月後。「嗅覚はほとんど以前と同じようになった。気分が穏やかになった気がする」とのことで、次に生理不順などその他の症状を治療することとなった。



【検討課題】
漢方薬CCはなんでしょうか。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三十二回

【症 例】
56歳、女性、事務職 

【主 訴】
動悸とともに発症する全身の小丘疹

【既往歴】
過敏性血管炎

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
200×年11月上旬に感冒様症状。11月19日インフルエンザワクチン接種。11月21日に悪寒、頭痛。11月22日動悸と伴に全身に掻痒感を伴った小丘疹が出現。近医にてセレスタミンが投与されたが悪化の傾向と言って 発疹出現1ヵ月後に来院。

【現 症】
体温36.8℃。150cm、52Kg。血圧111/52mmHg、脈拍89/分、整。

【漢方医学的所見】
望診:全身に発赤の強い小丘疹。
舌診:歯痕(+)、薄い白苔、舌質は淡紅色、舌下静脈(+)
問診:ワクチン接種後に悪寒、頭痛が出現。その1日後から小丘疹が出現。この蕁麻疹様皮疹は数日毎に繰り返していた。蕁麻疹様皮疹出現の直前には熱感、動悸、頭痛、肩こりが出現する。
切診:浮数脈有力(発疹出現時の診察)。腹部は弾力あり。

【経 過】 皮疹は膨疹ではなく典型的蕁麻疹では無かった。直前のワクチン接種が何らかの誘因となったと考えられる。繰り返す発疹の直前に浮数脈(動悸との訴え)、頭痛、肩こりを伴い、悪寒はない。胸脇苦満なし、皮疹 は分泌物なし、化膿瘡もなし。柴胡剤、清熱利水剤など蕁麻疹で頻用される処方を外し、漢方薬DDを処方。本剤は麻疹の初期に応用され、発疹を促して治癒を早めることが知られているが、本症例では、服用している期間は 発疹が出現しなくなったという。1ヶ月間皮疹の出現がなく、体温35.8℃、脈拍59/分と平常の状態に回復し治癒と判断して、治療終了を提案したが、心配だからともう2週間分持ち帰った。



【検討課題】
漢方薬DDとは何でしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三十三回

【症 例】
75歳女性 

【主 訴】
下腹部痛

【既往歴】
膀胱腫瘍手術

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
2月×日感冒様症状出現。市販薬で上気道の症状は軽快。その後下腹部に熱感と疼痛が出現。膀胱腫瘍の手術歴があり泌尿器科受診。問題なしとのことで来院。

【現 症】
体温37,5℃、血圧127/63mmHg、脈拍73/分、整。腹部触診にて下腹部に糞塊を触知。圧痛あり。聴診上は腸雑音正常。

【漢方医学的所見】
望診:ヒステリーを思わせる様子。
舌診:黄舌苔、暗淡紫色、燥、舌下静脈(++)
問診:上気道の症状はすっかり治っている。3日前から排便なし。「下腹部が暑くて痛くて我慢できない」と騒いでいる。
脈診:沈弦
腹診:小腹急結

【経 過】 太陽病が治りきれず、太陽系の熱が太陽膀胱経に随って膀胱経にうっ塞した病態と捉えて漢方薬EEを処方。服用後、3日間順調に排便。下腹部痛が改善。4日目には軟便とともに腹痛が出現したため漢方薬EEを中止。 その後気分が落ち着き、熱、便秘、腹痛すべて改善し再発もなし。



【検討課題】
漢方薬EEとは何でしょうか?

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三十四回

【症 例】
20歳代女性(未婚、妊娠なし) 

【主 訴】
乾くと喉が痛む

【既往歴】
特記事項なし

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
今年3月に咽頭痛が出現。1週間後に近医受診。上気道炎の診断の基に抗生剤、ダーゼン、ゼスラン、PL顆粒が処方された。5日間服用。喉の乾燥感と痛みが続き来院。

【現 症】
体温36.9℃、150cm、43Kg。咽喉の発赤なし。扁桃腺の腫大なし。胸腹部に問題なし。

【漢方医学的所見】
望診:頬がほてって発赤。
舌診:舌質(紫紅色)、歯痕(+)、薄い白苔、舌下静脈(+)
問診:胃腸系に問題なし。頬がややほてる。時に乾性咳嗽の発作がある。
切診:細滑脈。腹部は特徴的なものなし。

【経 過】咽喉の乾燥感と痛み、激しい乾性咳嗽を目標に漢方薬FFを処方。5日後の来院時、「2日間の服用で良くなったが、この漢方薬が美味しかったので全部服用した」とのことで治療を終了とした。



【検討課題】
本例は漢方薬FFの典型例だと考えます。漢方薬FFとはなんでしょうか。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三十五回

【症 例】
60歳女性。事務員 

【主 訴】
胃痛

【既往歴】
高脂血症(リピトール)、不眠症(マイスリー)、子宮筋腫(この3月に手術)

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
2008年2月初旬から仕事に追われ、子宮筋腫の手術もあり、精神的に疲労。上腹部痛が出現。通院中の医療機関で内視鏡検査。表層生胃炎を指摘された。術後ということで大建中湯が処方された。4月になっても上腹部痛が軽快しないといって4月21日に来院。

【現 症】
154cm、45Kg。胸腹部に問題なし。

【漢方医学的所見】
望診:やや痩せ型。色白。神経質な印象。
舌診:歯痕(++)、薄い白苔、舌質(淡紅色)、舌下静脈(±)
問診:冷え症。子宮筋腫の術後の腹痛は大建中湯で軽快したが、上腹部痛が持続。どちらかというと便秘傾向。食欲あり。
切診緩脈腹診臍上悸を触知し全体に軟弱。心下振水音なし。

【経 過】便秘の傾向にあるが、これは手術の影響であった。現病歴から神経性の胃炎が想像され、漢方医学的には冷えが病因の一つと考えられた。気の問題として気虚はなく、わずかに気逆傾向と捉えることができて、4月22日に漢方薬GGを処方。5月13日来院時「胃痛は1週間で改善」とのこでした。



【検討課題】
本例は漢方薬GGとはなんでしょうか。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三十六回

【症 例】
38歳、男性 

【主 訴】
低体温(34.9〜35.5℃)

【既往歴】
小児期に腸重積、軽度うつ状態で精神科通院中、交通事故

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
交通事故以後、低体温を自覚するようになった。通院中の精神科から紹介され受診。

【現 症】
体重67Kg、身長164cm。聴診上胸腹部には異常所見ない。神経学的に異常所見なし。

【検査】
N.D

【漢方医学的所見】
望診:青白い顔色をして、しかめっ面をしている。全身的に無気力な印象を受ける
舌診:舌質は淡紅、舌裂、湿潤、細かい白泡沫状の唾液を認める、舌下静脈(±)
問診:低体温は全身で感じるが特に下腹部に強く、軟便傾向にあり、時に腹痛がある。その他、動悸を感じるときがある。頚部痛、頭痛、眩暈(動揺感)が度々出現する。常に身体が震えるような感覚があり、全身が重くすぐ横になってしまう。
切診:大脈で遅、無力。腹部は全体に軟弱、臍上悸触知、小腹(下腹部)の冷感を触知。胸脇苦満なし、臍傍圧痛抵抗なし、胃内停水なし。

【経 過】漢方医学的所見から虚証であって寒証六病位では少陰病期と診断された。温補剤の中から軟便、腹痛、少陰病期に使われることが多い漢方薬HHを14日分処方した。低体温が直ちに改善されるかどうか定かではないため「この漢方で体力の下ざさえをしましょう」「身体を温め、代謝がよくなるはずです」と言う言葉を付加して14日後の診察を約束した。服用10日後から全身の調子がよくなってきたことが実感されてきたという。服用2ヶ月後の来院時には「最近、体温が36.5℃程度が続いている」という。その後服用を続けている。



【検討課題】
漢方薬HHとは何でしょうか。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三十七回

【症 例】
40歳、女性 主婦 

【主 訴】
軟便と腹痛

【既往歴】
特記事項なし

【家族歴】
特記事項なし

【現病歴】
200×年5月中旬から主訴が出現。6月中旬から腹痛を伴った軟便となり3日後に来院。

【現 症】
身長158cm、体重53Kg。体温35.8℃。血圧92/70mmHg、脈拍56/分。胸腹部に聴診上異常所見なし。

【漢方医学的所見】
望診:顔色不良、疲労倦怠の様子。
舌診:嫩、歯痕舌(++)、舌質淡白色、無苔、裂紋、舌下静脈(+)
聞診:声が小さくてやさしい言葉遣い。
問診:振り向く動作で眩暈。腹痛を伴った軟便が一日3〜4回。以前から頭重感、背部痛が続いているが、今は突発的な腹痛と軟便が辛いという。軽い口渇があり、排尿がやや少ない。元気がでず倦怠感が強い。
脈診:細ショク弱
腹診:わずかな胸脇苦満、全体に軟

【経 過】先急後緩の治療原則に従って、腹痛と軟便、気力、体力低下を先ず治療することとした。気虚、脾虚、水毒などを目標に補気と利水が必要であり、腹痛を考慮して漢方薬JJ証と考案。しかし、医療用顆粒剤になく、顆粒剤2剤を合方してJJ類似処方とした。5日後の6月下旬には軟便と腹痛の改善とともに頭重感、背部痛などの症状がすべて消失。しかし、また頭重感、背部痛、腹痛が心配だと7日分処方した。



【検討課題】
この2剤はどんな処方で合方したJJはとどんな処方でしょうか。 3処方をご回答いただきたいと思います。

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出題者:塾長 大野 修嗣


■ 第三十八回

【症 例】
59歳、女性、主婦 

【主 訴】
耳鳴

【既往歴】
特記事項なし

【家族歴】
特記事項なし

【現 症】
体重58Kg 160cm 血圧138/69mmHg 脈拍101/分 胸腹部に異常所見なし。神経学的異常所見なし。

【現病歴】
昨年の秋に両親が倒れて睡眠不足となり、これを契機に耳鳴りが出現。数箇所の医院で耳鳴に対して西洋医学的な一般的治療を受けたが改善しないといって6月に来院。

【検査】
赤沈19mm/時 WBC 6080/μl HB 11.7g/dl Plate 21.6万/μl GOT 22 GPT13 γGTP 13 BUN 19.9 Creat 0.70 他異常所見なし。


【漢方医学的所見】
望診:体格はよく、健康的な印象。
舌診:舌質紅、やや燥で薄い白苔、舌下静脈(±)
聞診:声は普通。元気がよさそうな発語。
問診:両親のことで不安感が募り睡眠不足。その後、不眠、動悸、顔面のほてりを自覚。倦怠感を感じるという。排便、排尿に異常なし。
脈診:沈弦数
腹診:腹力は良好。しっかりした胸脇苦満臍上悸を触知

【経 過】
初診時:体格良好、健康的な印象で体質的には実証。両親のことがまだ尾を引いている様子で神経が敏感に反応しやすい状態。沈弦数脈、胸脇苦満臍上悸を目標に漢方薬KK1剤を処方。
1ヶ月後の来院時:耳鳴が軽快傾向を示した。脈沈緩。睡眠がとれるよ